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「ジジババ登山隊」 仙丈ケ岳・甲斐駒ケ岳 を行く

  「ジババ登山隊」 仙丈ケ岳甲斐駒ケ岳 を行く

 平成29年8月28日から2泊3日で二座を目指す。今回のパーティー4名の平均年齢はジャスト70歳。歩ける内に何処までも・・・。登山経験の浅いメンバーだが、気合だけは自称一人前と思っている。

 朝3時半、千葉県鎌ヶ谷を自家用車で出発。7時山梨県芦安着。乗合タクシーで広河原へ。バスに乗り換え目的地北沢峠に9時半到着。

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     さー、登山開始だよ!

 

何とも心地よい涼しさで数日滞在したい位だ。仙丈へは大平山荘から藪沢沿いに登り、馬ノ背ヒュッテに13時過ぎに到着。ここで一泊。年寄り向きのゆとりの計画だ。

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     谷間に見える甲斐駒

 

翌朝、夜半から降り続く雨が止むのを待って7時出発。馬ノ背の尾根に出ても仙丈・甲斐駒はガスの中。仙丈小屋付近は強風で吹き飛ばされそう。それに寒さが加わり、休んでもいられないので先を急ぐ。急速に流れる雲の切れ間から、周囲の山々が一瞬顔を出す。

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   顔を出した、甲斐駒と摩利支天

 

頂上に近づくにつれ風が更に強くなり、登頂したものの長居できず直に下山開始。形だけの登頂は何時もながら実に空しい。

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     仙丈ケ岳の山頂にて

 

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   小仙丈ケ岳寄りの展望

 

小仙丈尾根に出たら風も弱まり、視界も開けてきた。雲の合間から時々顔を見せる北岳間ノ岳鳳凰三山。そして雲ひとつない仙丈ケ岳の大カールが箱庭の様に見える。昨夏、北岳から見た雄大な仙丈の稜線に、今立っている自分が誇らしい。

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   左から鳳凰三山、白根三山

 

北沢峠に一気に下山し昼食。平日なのに広河原から登ってくるバス、下るバスは共に満員だ。そのまま二日目の宿「仙水小屋」に向かう。仙丈は総じて緩やかな山だった。

 

仙水小屋は水が豊富で水道の蛇口は開けたまま。トイレも流しっぱなしの天然水洗。食事が凝っている。先ずは器が朱塗りの仕切られたトレイ。そこに刺身、てんぷら、煮物と品数も多い。そして極め付きは外での食事。これでは酒が無くては・・・と、宿の演出に見事にはめられた。他の宿泊者もご満悦のようで、しきりに写真に収めていた。

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 泉水小屋の食事風景

 

2日目

翌朝5時出発。勘違いして30分遅い出発になった。結果、下山がバス発車時刻ぎりぎりになる。

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北沢峠から甲斐駒へのコースタイムは仙丈とほぼ同じだが、急な登りと足場の悪い所が多く厳しい山だ。仙水峠、駒津峰を通り、六方石からは様子のわからない直登は避け迂回ルートを選ぶ。

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駒ケ岳は遠方から眺めると、頂上付近が白くみえる。花崗岩と風化した砂礫に覆われているからだ。頂上直下の緩斜面は、山と言うより砂漠の様。

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迂回コースのきつい岩場を抜けてを山頂へ向かう

 

巨大で見事な花崗岩の岩場をぬって最後の力を振り絞って登る。頂上は風も弱く穏やかだった。生憎大展望は望めなかったが、時折見せる周囲の山々が圧巻だ。ひときわ目立つ摩利支天が印象的だった。二座登頂できた満足感が体中に満ち溢れていた。「やったぜシルバー」

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      甲斐駒山頂にて

 

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       山頂の祠

 

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    山頂から摩利支天を望む

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      下山途中にて

 

下山は双児山経由。30分のスタートの遅れが最後まで尾を引く。下山速度を速め出発15分前にバス停到着。同じ部屋に泊まった登山者の仲間の一人が苦戦、荷物を持ってもらったが、バスの発車時刻が迫っていても姿が見えない。先に下山した仲間がバスから下りて必死に名前を呼んでいる。発車時刻になった時、姿が見えた。良かった良かった。本人は死に物狂いで歩いて来たのだろう。心情を察するに余りある。バスは2分遅れで出発。かくしてジジババの二座挑戦は無事終了した。    

    東葛山の会  井上順之 記